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「ありよし寄席」にて演奏させて頂きました

「ありよし寄席」は月に一度、三重県桑名市において開催されております。

 

会場は桑名市「在良(ありよし)駅」から徒歩5分の桑名福祉センター。

入場無料で、お客さまは地元桑名の方はもちろん、四日市、津、名古屋市からもいらっしゃるとのこと。

当日も120名以上の方がご来場くださいまして、大盛況でございました。

 

今回は「祇園精舎」と「壇ノ浦~安徳天皇入水~」を演奏させていただきました。

 

私はいつも演奏前に曲の解説や琵琶についてのお話をさせて頂いております。

 

いざ演奏が始まりますと、私も語りの世界に入ってしまいますので、曲の始まる前や曲と曲の合間が、皆さまと向き合うことの出来る大切なひと時なのです。

 

 

そして皆さまと交わす視線、ほんの一瞬一瞬ですが、私はそれをとても大切にしています。

 

 

以前もブログにて書きましたが、琵琶は語り物の芸能です。ですので主役は”声”。

琵琶の音色はあくまでも物語を語る”声”を盛り上げるためのもの。

 

ですが、私は本当の主役というものは、”お客さまの心”だと思っております。

 

 

ご自身の過ごしてきた時間、悲喜こもごもの思い出、そのお客さまの心に寄り添う琵琶語りが出来れば…、と常に思いながら演奏しています。

 

お聴きになる方が、10人であれ100人であれ1000人(ちょっと多いですが)であれ、

私はお客さま”お一人お一人”と常に”一対一”で向き合っているような、そんな風景を心に描きながら琵琶を語っております。

 

 

 

お客さまが百人いらっしゃれば百通りの琵琶語り、そして百通りの「壇ノ浦~安徳天皇入水~」が存在します。

 

そして私にとりましても実は毎回、見る風景が変わります。

「壇ノ浦~安徳天皇入水~」をそれぞれの会場にて演奏させて頂く度に、聞き手のお客さまのエネルギーとでも言うのでしょうか、その力によって描く景色が異なるのです。

 

どんな景色が見られるのか…どんな想いが浮かぶのか…。

私も毎回、楽しみながら演奏させて頂いております。

 

 

主催である「桑名De落語を聴く会」の皆さま、どうもありがとうございました。

 

素晴らしい機会を頂戴いたしましたこと、心から感謝申し上げます。

多くの方に琵琶語りをお届け出来、またご縁が広がって行くことの幸せをしみじみと噛みしめた会となりました。 

 

心から笑えた楽しいひと時。

この「ありよし寄席」が末永く続きますように。

 

またお会い出来ます日を楽しみに致しております。