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秋は演奏会のシーズンです

秋はまさに演奏会シーズン。

琵琶もお蔭さまで多くの方にお聞き頂ける機会を頂戴致しております。

 

まずは、10月6日(日)愛知県扶桑町の川田家住宅様にて演奏をさせて頂きました。

川田家住宅様では、なんと5回目の琵琶演奏です。

 

一生に一度、聞けるか聞けないかというほど希少な琵琶の生の音色を多くの方にお届け出来、本当に有難く思っております。

 

今回は『琵琶語りと落語の会』ということで、川田家住宅様では初の落語とのコラボ。

 

お客さまのご興味も高かったのでしょう。

早い時期からお席が埋まり満員御礼となりましたが、当日はさらにお客さまが数名増え、大入り満員となりました。

 

 

まずは落語。

川の家河太朗師匠の「猫の忠信」。

 

さすが伝統ある日本の話芸。

語りの技術に惹き込まれました。

 

どのようなオチなのかと期待しておりましたが、期待を上回る展開!会場が「わっ」と湧きました。

 

そして琵琶。

曲目は源氏物語より「六条御息所」。

そして平家物語より「小宰相身投」。

 演奏前に、物語の内容についてそれぞれ解説をさせていただきました。

 

 

 

嫉妬心から自分を見失い生霊となってしまった「六条御息所」。

恐ろしい女性として源氏物語には描かれておりますが、切なく儚い心情も琵琶語りでお伝え出来たのではないかと思います。

 

一方、平家物語に登場する「小宰相」は実在の女性です。

夫である平通盛の死を聞き、恋しい人の後を追い、夜の海へと身を投げる。

平家物語の原文ではその情景描写が非常に美しく、心惹かれる章段です。

 

琵琶と共に語ると、よりいっそう情感が溢れ…。

 

この「小宰相身投」は私にとって大好きな曲なのです。

 

私の師匠、坂田美子が作曲したのですが、師匠の曲は愛情に裏打ちされた切なさがいつも感じられ、どの曲も情感に溢れています。

 

琵琶を知っていただくだけではなく、師匠の琵琶歌も一人でも多くの方にお届けできれば、と願っております。

 

 

続きまして10月19日は、愛知県犬山市にて演奏させて頂きました。

会場は木之下城伝承館・堀部邸です。

こちらは犬山城下町に唯一残る武家風屋敷でして、約400坪の敷地内に主屋、離座敷、土蔵などがあり、国の登録形文化財となっております。

 

今回は『お祝いの会』での演奏ということで、平家物語から勇ましく、そして華々しい曲「ひよどり越え」、「扇の的」の二曲を演奏させていただきました。

 

皆さま大変琵琶にご興味を持ってくださいまして、演奏後にたくさんに熱意ある質問を頂戴し、私も時間を忘れるほどお話をさせていただきました。

 

 

このように素晴らしい場所にて演奏させていただき、琵琶を知っていただくだけでも非常に有難いことですのに、

演奏を通して多くの皆さまに出会え、そしてお話をさせていただきますこと、本当に幸せだと思っております。

 

心に残る楽しいひと時でした。

 

 

琵琶を通して多くの方と触れあえることに感謝しつつ、日々精進を重ねて皆さまの心に届く琵琶語りをお届けして行こう、

と思いを新たに致しました。

 

またお会い出来ます日が楽しみです。

ありがとうございました。

 

 

phot by 中野耕司